表彰

参加者による発表に対する投票で決定

最優秀ポスター賞


主観視点と俯瞰視点での車の運転性の違いに関する検討
帆足拓海, 宮地英生 (東京都市大学 情報システム学科)

優秀ポスター賞


情報エントロピーに基づくin-situ可視化向け最適視点移動経路推定法
岩田憲, 坂本尚久, 野中丈士(神戸大学, 理研R-CCS)

バイアス除去がもたらすNLPモデルの性能劣化
小林一樹, 脇田建(東京工業大学)

ポスター発表題目

(P1) バーチャルリアリティ装置によるプラズマ対向壁上の高速トリトン粒子衝突点の可視化
大谷寛明,増﨑 貴,小川国大,石黒静児
 プラズマ対向壁に衝突したトリトン粒子衝突点を対向壁とともにバーチャルリアリティ(VR)装置で可視化した.ローレンツ力を計算してトリトン粒子の軌道計算を行い,プラズマ対向壁のポリゴンとの交差点を衝突点とした.衝突点をPoint-splite法による球表示でCAVELibにて表示し,プラズマ対向壁はUnityでレンダリングした.CAVELibとUnityの画像データをFusionVRで重畳表示した.衝突点を実験的に確かめる材料試料の設置位置決定に重要な役割を果たした.


(P2) 主観視点と俯瞰視点での車の運転性の違いに関する検討 (PDF)
帆足拓海, 宮地英生
 ドライブシミュレータを用い主観/俯瞰視点の運転性に関して研究した.運転時の走行ログとフリーコメントから5つの傾向を得た.(1)主観視点は,俯瞰視点より速度が速くなる.(2)視点位置に関わらず法定速度を超過する.(3)ハーフアクセル・ブレーキの使い方は視点に依存しない.(4)俯瞰視点は主観視点の走行より慎重である.(5)主観・俯瞰関わらず,カーブの途中から減速をする傾向がある. 俯瞰視点が「主観視点と比べてゲーム感覚になり速度感覚が鈍るのでは」という懸念は当たらなかった.フリーコメントから俯瞰での運転を好む人が多かった.


(P3) VR空間内における利き手と非利き手の操作の速度と正確性の違い (PDF)
川原潤也, 宮地英生
 VR空間内でも現実と同じく右手と左手で,使い慣れている手のほうが操作を早く,正確に行えるのではないかと考え,本研究ではVR空間内で操作性を測定できるゲームを開発した.そのゲームを実験協力者10名に,利き手と非利き手で操作してもらいスコアと命中率を測定した.その結果,利き手と非利き手の間に,スコアは9.0%,命中率は2.2%の差があった.同じ動作の中で,利き手と非利き手の操作の速さや正確さに違いが生じていることが確認できた.


(P4) Performance Improvement of Stochastic Rendering using Convolutional Neural Network based Denoising (PDF)
Amirul Haziq bin Azman, Naohisa Sakamoto
 Volume rendering has been an important part of scientific data visualization in simulations such as medical anatomy and analysing internal physical quantities. Ways on how to reduce the computational cost of rendering complex volumes using this rendering method is an ongoing research topic for many data visualization researchers. One of the volume rendering methods is particle-based rendering, which is a direct volume rendering approach. Particle-based rendering is an efficient technique, which enables to render transparency for both of geometric and volumetric objects without visibility ordering. In this technique, the objects can be rendered repeatedly based on stochastic process, and then the final image can be obtained by ensemble averaging the rendered images. The higher the number of repetitions, the higher the render quality. However, this can be a time-consuming process and a major cause of performance bottleneck, especially in the case of large-scale and complex dataset. To overcome these problems, we propose a method which can obtain high quality image with low number of repetitions by using a convolutional neural network based denoiser.


(P5) 卓球における利き腕およびサービスの種類に着目した得点傾向の可視化と分析 (PDF)
高松 直輝,伊藤 正彦
 卓球をプレイヤー視点から見たときにどのようなサーブをするかが得点を撮るうえでは1番大事だと考えられる.そこで,卓球のデータを可視化させることによってどのようなことが見えてくるのか検証を試みる.サービスの打った種類と得点先に着目することで分析を行う.


(P6) エッジ束化平行座標プロットによるアンサンブルデータ向け視覚分析システム (PDF)
渡辺敬太(神戸大), 田村剛 (神戸大), 坂本尚久(神戸大), 前島康光 (理研R-CCS), 野中丈士(理研R-CCS)
 アンサンブルシミュレーションデータの解析において,メンバひとつひとつの分析に繋げるために,変数(物理値)情報の概観とメンバ同士の比較が重要とされている.しかし,各メンバには複数の変数が含まれており,メンバ横断的にそれらを同時に比較することは困難である.このような問題を解決するために,本研究では,多次元データ向け可視化手法のひとつである平行座標プロットを拡張し,軸間の線分の角度情報をもとにしたエッジ束化平行座標プロット法を提案する.また,提案手法に加え,対話的操作が可能な平行座標と,断面図を加えた対話的なデータ探索が可能な視覚分析システムを開発する.本システムを用いることで,各メンバの平行座標プロットを効果的に簡素化し,メンバ間の複数変数に対する対話的な比較とデータ探索を実現する.


(P7) ソフトテニスにおけるポジションごとの失点状況の可視化と分析 (PDF)
薮 隆司,山本 渉太,伊藤 正彦
 ソフトテニスをプレイヤーの視点から見た際,得点を取った選手と失点をした選手でのポジションの違い,あるいは,ポジションとコース,球種との組み合わせが失点に関係している場合があることを理解することが戦略上重要である. そこで,実際に得点選手がボールを打った際に失点選手がいた位置を可視化し考察する.


(P8) 日本酒フレーバ類似度の可視化による銘柄探索システムの開発 (PDF)
柴孝明,伊藤正彦
 日本酒をたしなむ人は多いが,良い日本酒は高価なものが多く易々と何本も購入することはできない.そのため,購入する日本酒選びで失敗しないための仕組みが求められる.本研究では,日本酒のフレーバの類似度を可視化し,好みの銘柄に似ている銘柄や人気の銘柄の傾向を探索することで日本酒選びをサポートするシステムを紹介する.


(P9) 次元削減技術を用いた視覚的テンソルデータ解析手法 (PDF)
藤田 啓二郎,坂本 尚久,藤原 孝紀,塚本 俊之,野中丈士
 センサリング技術の向上やシステム規模の増大化・複雑化に伴い,膨大化する多次元時系列データ分析への要求が高まっている.今回提案する可視化分析手法では,多次元時系列データを時間・空間・計測値の3軸からなる3次テンソル(3次元配列)データとして表現し,複数の次元削減ステップを適用することで,特徴的な時空間領域を特定し,システムの状態や動作の理解を支援する. 実験では,HPCシステムの環境ログデータを用いて提案手法の有効性を検証する.


(P10) 情報エントロピーに基づくin-situ可視化向け最適視点移動経路推定法 (PDF)
岩田憲, 坂本尚久, 野中丈士
 大規模なシミュレーションにおけるディスクI/Oボトルネックを解消するためのin-situ可視化が注目されている.しかし,in-situ可視化では描画時の対話性欠如を補うために,事前に設定した複数の視点で描画処理が実行されることが多く,その結果として大量の画像が出力される.そのため,データ解析にかかる時間が増加するという新たな問題が生じている.本研究では,情報エントロピーに基づいて画像の質を評価することでシミュレーションの重要な変化を捉えている視点を推定し,その結果をもとに最適な視点移動経路を推定する手法を提案する.実験では,歯茎摩擦音発生シミュレーションを使用して提案手法の有効性を検証する.


(P11) アンサンブルシミュレーションデータ向け視覚的時空間特徴解析 (PDF)
田村剛,坂本尚久,前島康光,野中丈士
 アンサンブルシミュレーションが広く使われており,その出力結果は大規模になるため,効率的に分析を行うための可視化手法が求められている.本研究では,シミュレーションの精度の評価や現象への理解を深めるための分析のために,気象アンサンブルシミュレーション結果から,解析対象とする物理量のメンバー間及びその時間発展の特徴構造を効率よく抽出することができる視覚的時空間特徴解析法を提案する.


(P12) 拡張現実感技術による園芸農作業支援システムに関する研究 (PDF)
石井冬馬, 佐々木佑介, 濱田健夫, 越塚登
 スマート農業が推進される中,新規就農の障壁として,暗黙知の多さ,作業負担の大きさが挙げられる.作物個体ごとに生育状態は異なるため,作業現場で直感的に情報を確認できることが望ましいが,こうした取組みは少ない.そこで,環境データを実物体に紐づけて重畳するAR技術を用い,主にナス温室での整枝作業を支援する手法を提案した.熟練者の暗黙知をいかに形式知として可視化するかが鍵であり,HMDを用いたパイロットシステムを開発しARで支援できる内容を調査したほか,ARでのUIを提案した.


(P13) Fundamental Study on Development of Microchip-laser Induced Breakdown Spectroscopy System for Remote Analysis (PDF)
Zeliang Zhang, Takeshi Moriya, Naruki Shoji, Hideharu Takahashi, Hiroshige Kikura
 In the process of decommissioning the Fukushima Daiichi Nuclear Power Plant, TEPCO Holdings, it is crucial to investigate the internal conditions. In this presentation, for the purpose, we will explain about development of microchip-laser induced breakdown spectroscopy and ultrasonic integrated system for remote analysis and visualization results on element and shape information of simulated fuel debris using this system.


(P14) バイアス除去がもたらすNLPモデルの性能劣化 (PDF)
小林一樹, 脇田建
 近年,自然言語処理(NLP)のバイアスを除去(デバイアス)する研究が行われており,様々な手法などが提案されている.しかしデバイアスの論文では,バイアスを取り除くことにのみ注視している論文が多く,デバイアスによるNLPタスクを解く能力に対する影響はほとんど考慮されていない.そこで,本研究では単語ベクトルのデバイアス手法に着目し,デバイアスによって得られる単語ベクトルが元の単語ベクトルと比較してNLPタスクを解く能力が劣化していることを実験によって確認する.


(P15) 上向きノズルにおける直接接触凝縮による流体振動モードに関する可視化研究 (PDF)
飯嶋勇樹,長坂秀雄,高橋秀治,木倉宏成
 2011年3月11日に発生した東京電力HD福島第一原子力発電所事故は環境への放射性物質の放出を伴う重大事故となった.本研究では,このような発電所事故後に新規制基準として設置が義務付けされ,事故時に放射性物質を含む蒸気を除去する安全システムであるフィルターベントシステム内の水タンク内へ吹き込まれるノズルからの蒸気の流動様式を調べたもので,ハイスピードカメラによる気液界面挙動の可視化と圧力計による圧力振動の可視化をとおして,その流動様式と影響パラメータを整理しまとめた結果について報告する.


(P16) リアルタイムビデオアバタによる災害情報の共有 (PDF)
渕上理仁,石田智行
 日本は災害大国であり,毎年のように大規模な自然災害が日本各地で甚大な被害をもたらしている.こうした中,新型コロナウイルス感染症の影響により,災害対策本部や避難所は感染症対策という側面も考慮した新たな運営が迫られている.そこで,本研究では災害対策本部の機能をバーチャル共有空間に移すことで,職員の感染及び濃厚接触に対応したバーチャル災害対策本部システムを構築した.本システムでは,職員のリアルタイムビデオアバタを共有空間に配置することで,臨場感・存在感の高い双方向コミュニケーションを実現した.