第28期会長 会長就任にあたって

第28期会長 高橋 桂子

takahashi

Inaugural Address by the President for the Twenty-eighth Term

Keiko TAKAHASHI

7月19日に開催されました平成28年通常総会ならびに第28期臨時理事会におきまして、第28期会長に推挙を賜り、就任することとなりました。本学会は、昭和56年に「流れの可視化学会」としてスタートし、平成2年に「可視化情報学会」として「可視化情報に関する研究の進展と知識の普及のため」の法人として発足し、長い歴史と実績を有します。本学会の会長への就任をたいへん光栄に思いますととともに、その重責に身の引き締まる思いです。歴代の会長をはじめとする皆様のご指導をいただきながら、副会長、理事方々、会員の皆さまならびに事務局の皆さまとともに、学会のさらなる発展にむけて、微力ではございますが誠心誠意取りくむ所存でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

「可視化情報」は広く社会に認知され、学術界のみならず産業界においても多くの分野でその重要性が認められております。このことは、「可視化情報」科学技術がものごとを理解する際の本質と直結しており、社会のさまざまな発展と相互に連動する分野であることを示していると思います。その意味において、本学会は学術界と産業界および社会をつなぐハブとしての重要な役割を担っていると思います。本学会では、早くからこの重要性が認識され、近年では、一般社団法人化をはじめとして学会体制の充実や会員へのサービスを重視した諸活動によって、多くの実績を積み上げて来ました。第28期においてもこの指針を継承し、着実な歩みをすすめてまいりたいと思います。

その歩みの重要な基盤のひとつは、学会が主催するシンポジウムや講演会であることは周知のとおりです。学術界と産業界および社会をつなぐ「ハブ環境」の提供や会員へのさらなる高いサービス提供が可能なシンポジウムや講演会とするためには、さらにどのような工夫が必要であるのか。その実現にむけた探求と検討を進めてまいります。加えて、学会活動のもうひとつの基盤である研究会や講習会の充実は、第27期の運営においても重要な課題として検討され、環境の整備がなされました。これらの活動がさらに活発に、充実できるよう支援と可能性も探ってまいります。

本学会からの情報発信もきわめて重要であることは言うまでもありません。学会誌、和文論文集および英文論文集Journal of Visualizationはそれぞれの特色を生かしてプレゼンスを高めています。今後はさらにシンポジウム特集号やレビューなどの特別企画も念頭に、プレゼンス向上への実践を進めてまいります。学会ホームページの掲載内容や構成については、これまでも学会員、企業会員の皆様から大きなご協力をいただいてまいりました。より一層の充実を図ってまいりますので、今後も変わらぬご協力をいただきたくお願いいたします。

「可視化情報」のさらなる発展のためには、国内外における学会としての活動も、今後、重要になってくるものと思います。第27期には学会として、日本学術会議大型施設計画・大規模研究計画に関するマスタープランに申請(代表:小山田耕二先生)し、新たな「可視化情報」分野を提唱いたしました。今後は、Society5.0などの施策に対する「可視化情報」科学技術からの貢献なども視野に入れた学会の取りくみが必要となるものと思います。また、人材育成に関連して、他学術組織との連携についても模索が開始されております。人的交流を含めて「可視化情報」の発展に資する機会を捉え、活用できるようさらなる準備と検討に努めたいと思います。

本学会は会員皆様の発展のためにあります。会員の皆様とともに、理事会を中心に各委員会、事務局の皆様と力を合わせて、学術界、産業界および社会における「可視化情報」分野の発展につながるよう努めてまいります。会員の皆様、関係各位のなお一層のご支援とご協力をいただきたく、なにとぞよろしくお願いいたします。

第27期会長 会長就任にあたって

第27期会長 渡邉 好夫

yoshiowatanabe

Inaugural Address by the President for the Twenty-seventh Term

Yoshio WATANABE

2015年7月21日に開催された可視化情報学会第27期定例総会におきまして、第27期の会長に推挙され、就任することとなりました。昭和56年(1981年)に「流れの可視化学会」としてスタートした本学会は、平成2年には「可視化情報学会」として、さらに広く「可視化情報に関する研究の進展と知識の普及のため」の法人としての歩みを進めてきております。発足以来34年の歴史を有する本学会の会長への就任をたいへん光栄に思うとともに、その重責に身の引き締まる思いです。皆様のご指導、ご支援をなにとぞよろしくお願いいたします。

ご承知のように、すでに「可視化」という言葉も広く社会に流布し、対象を的確に把握する技術・手法として認識されております。小山田耕二前会長は、この「可視化」への社会的な期待に応えるべく、本学会の領域拡大に尽力されてこられましたが、今期もそれを継承し、さらに発展させていきたいと考えております。

現在の社会や企業の活動はますます高度で複雑なものとなっており、現象の把握、メカニズムの解明に、また、情報の共有化に「可視化」は不可欠なものとなってきています。実際、私の所属する事務機器業界においても、トナー・インクの流れや紙の搬送挙動の可視化は、一般的なものとなりつつあります。さらには、製品の設計・開発やサプライチェーンのような多数の人と物が関わるプロセスや状態の可視化も進められております。

また、ビッグデータ時代と呼ばれるようにITやセンシング技術の飛躍的な向上により、従来は、基礎的なデータが入手困難だったために放棄されてきたことも、その可能性が見えてきました。たとえば、「人・物の流れの可視化」により、消費者の購買行動の把握や、災害時の人命救助や復興推進に活用されつつあります。

本学会も、この社会的な要請にいっそう積極的に取り組んでいかねばなりません。このため、各分野の要素となる可視化技術を深めるとともに、今後は分野をまたがる「可視化情報学」の共通的・基礎的側面についても検討していきたいと考えています。

これらを実現する基礎は、会員の皆様の研究開発や展開活動にかかっております。先端的な学術研究の進展、産業界との情報共有と可視化技術の展開、社会のへの普及と啓蒙にいっそう努めてまいります。

編集関係では、昨年度は和文論文集の投稿プロセスの改善により、大きく投稿数を伸ばすことができました。今期は、この流れを定着させるとともに、英文論文集Journal of Visualizationや学会誌もそのプレゼンスを高める施策を検討したいと考えております。

企画関係では、シンポジウム、研究会等の永続的な成功の基礎として、研究会の充実に取り組みたいと思います。また、先端的可視化技術の成果の普及・展開のため、従来の講習会に加えて、さらに新設の可能性も探って行きたいと考えております。

学会会員数は、学会発展の基礎であることは言うまでもありませんが、これまでの努力にも関わらず、残念ながら漸減傾向を脱却できておりません。今期は、さまざまな会員の増加策を模索してまいります。特に、産業界の会員の増強に注力してまいります。

おわりに、本学会発展のために献身的にご尽力頂いている役員や各委員会メンバーの皆様方に厚くお礼申し上げます。

平成26年度事業計画

学会の活動(第26期)

一般社団法人可視化情報学会は、昭和56年(1981年)に『流れの可視化学会』としてスタートし、本年で創立33周年の歴史となる。その間、会員諸氏の弛まない研鑽により、可視化に関する学術・技術は、理工学分野のみならず様々な分野で飛躍的に発展して、今や研究・開発・実践における有力な手段となってきた。さらに、近年はあらゆる分野で情報の種類、量とも飛躍的に増大しているため、社会からもその可視化についての期待は大きく、本会の果たすべき役割は今まで以上にますます重要になっている。会員の皆様のご協力のおかげで、明らかにすることのできた会員満足度向上に資するキーワードに基づき、今まで以上に、英文論文集や和文論文集、学会誌、各種書籍のさらなる充実をはじめ、国内外の会議やシンポジウムの主催や共催、講演会・講習会・研究会などの活発な開催、会員への情報アクセスの充実などを重点課題として実施する。さまざまな現象から得られるデータを人間に認識させるために、視覚を通じて情報化する可視化技術の本質を社会に普及させていくために、データ可視化・ビジュアル分析に関するワークショップ・講習会の企画、国際化をいっそう進めていく予定である。

第24期 表彰

第24期学会賞

論文賞

(1)


表  題: 「矩形管内気体流れに対するMTV の適用」
著  者: 山口 浩樹(名古屋大学), 中嶋 悠貴, 山口 顕央(名古屋大学大学院), 松田 佑, 新美 智秀(名古屋大学)
対象論文: 可視化情報学会論文集 Vol. 32, No. 6, (2012) 15-20

(2)


表  題: ”Vortical Dynamics in the Wake of Water Strider Locomotion”
著  者: 李鹿 輝(山形大学)
対象論文: Journal of Visualization,Vol.15, No.2 (2012) 145-153

技術賞

表  題: 「正方形平板突起から流出するヘアピン渦挙動の可視化」
著  者: 山田 英巳(大分大学), 西 優(大分大学大学院), 三好 清子(大分大学大学院)
対象論文: 可視化情報(可視化情報全国講演会(姫路2012)), Vol.32-Suppl.2 (2012) 213-214

奨励賞

受賞者:  武藤 昌也(京都大学)
表  題: 「回転球周りの流れ場の遷移過程と負のマグナス効果の関連に関する研究」
関連論文: ”Numerical visualization of boundary layer transition when negative Magnus effect occurs”, Journal of Visualization, Vol. 15, No.3 (2012) 261-268 他

第40回可視化情報シンポジウム ベストプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:多変量解析を用いた海洋大循環モデルの可視化
    講演者:松岡 大祐(海洋研究開発機構)
  2. 講演題目:高速度スキャニングステレオPIVによる低フルード数浮力噴流の3次元渦構造に関する研究
    講演者:渡部 龍太(新潟大学大学院)
  3. 講演題目:高熱伝導性を有する感圧塗料の開発
    講演者:江上 泰広(愛知工業大学)

全国講演会(姫路2012)ベストプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:Wave Finite Element法を用いたタイヤ振動の可視化
    講演者:和氣 充幸(ブリヂストン)
  2. 講演題目:構造音響連成系の現象理解のための解析法
    講演者:古屋 耕平(岐阜大学)
  3. 講演題目:地下空間充填ペーストのレオロジー特性に関する数値解析
    講演者:斉藤 弘樹(北海道大学)

平成25年度事業計画

学会の活動(第25期)

一般社団法人可視化情報学会は、昭和56年(1981年)に『流れの可視化学会』としてスタートし、本年で創立32周年の歴史となります。その間、会員諸氏の弛まない研鑽により、可視化に関する学術・技術は、理工学分野のみならず様々な分野で飛躍的に発展して、今や研究・開発・実践における有力な手段となってきた。さらに、近年はあらゆる分野で情報の種類、量とも飛躍的に増大しているため、社会からもその可視化についての期待は大きく、本会の果たすべき役割は今まで以上にますます重要になっている。それらの期待に応えるためには、会員同士の闊達な交流はもちろんのこと、国内外の関連分野との積極的な交流や協業が必至である。具体的には、今まで以上に、英文論文集や和文論文集、学会誌、各種書籍のさらなる充実をはじめ、国内外の会議やシンポジウムの主催や共催、講演会・講習会・研究会などの活発な開催、会員への情報アクセスの充実などを重点課題として実施する。一方、会員数は、会が発展的に活動していくための最も大きな源泉であるので,今後、会員数増強のために、各種の事業推進においては、「会員満足度向上」を強く意識し、その具現化に向けて、例えば、「新しい学術・技術分野との連携」や「技術者育成の企画」などに注力していく予定である。

第23期 表彰

第23期 学会賞

論文賞

表  題: 「スペックル干渉法による骨折状態非侵襲評価システムの数値シミュレーション」
著  者: 山名田 信哉、村田 滋(京都工芸繊維大学大学院)、小梶 峻介(京都大学大学院)、田中 洋介、小野 裕之(京都工芸繊維大学大学院)
対象論文: 可視化情報学会論文集, Vol.30, No.10, (2010) 65-72
推薦理由: スペックル干渉法に基づいた骨折の非侵襲評価システムの数値
シミュレーション法を提案したものであって,スペックルパターンの時間変化を
数値シミュレーションから推定して後に,3層の弾性体モデルにこれを応用して
位置検出を行ったものである.スペックル干渉法を切断部内部状態の評価につな
げる手法の開発を行ったもので優れた論文であると判断した.

技術賞

表  題: ”Visualization of ripples on the surface of a rising bubble through an immiscible oil/water interface”
著  者: 植村 知正(関西大学)、植田 芳昭、井口 学(北海道大学大学院工学院)
対象論文: Journal of Visualization, Vol.14, No.2, (2011) 95-97
推薦理由: 本論文では,油水界面を通過する気泡の表面から生成されるマイクロ
水滴の発生メカニズムを明らかにするために,水に屈折率整合剤として31wt%の
ヨウ化カリウムを添加し,可視化画像から水膜を除去している.そのため,気泡と
水膜の間で発生する現象をより鮮明に捉えたものであり,マイクロ水滴生成の
メカニズム解明について貴重な成果がもたらされた.このように界面挙動を
可視化抽出する際に非常に有力な技術が提案されたものである.

奨励賞

受賞者: 太田 匡則(千葉大学大学院)
表  題: 「Colored grid background oriented schlieren (CGBOS)法による軸対称物体
まわりの超音速流れ場に対するCT 密度計測」
対象論文: 可視化情報学会論文集, Vol.31, No.9, (2011) 51-56
推薦理由: 本論文は,圧縮性流体の3次元密度分布を計測する手法として,
カラーグリッドパターンを背景画像に利用したCGBOS 法とCT法を組み合わせた
手法を提案し,軸対称物体である円錐形物体まわりの衝撃波構造の定量評
価を行うことでその有用性を示している.提案された手法は通常のBOS法
にさらに背景画像を2つのカラーストライプを直交させたカラーグリッド
パターンで与えることで,水平方向密度勾配・水平方向密度勾配分布を別々
に解析できるようにしており,また無風時の参照画像を必要としないこと
による観測条件の緩和や測定対象物体の大型化に向けた改善点を有してい
る.また,この結果をCT技術で3次元密度分布計測へと発展させており,
今後の高速流れ計測に有用な報告内容となっていると判断した.

第23期 映像賞

表  題: 「微小気泡内ストリーマ放電の進展とマイクロバブル放出」
著者: 西山 秀哉(東北大学流体科学研究所)、長井 亮介(東北大学大学院)、高奈 秀匡(東北大学流体科学研究所)
対象論文: 2011年6月のFlash
推薦理由: 液体中に設置したガス供給管側孔から噴出する2-3mm 径のアルゴン
気泡の界面に6kVで1kHzパルス電圧を印加した場合に発生するストリーマが気泡
界面内側に進展する際の挙動,気泡界面の凹凸変形,さらには気泡界面の崩壊
に伴うマイクロバブルの放出など,放電微小気泡の動的界面挙動を高速度撮影
した可視化動画は,世界でも例がなく,本学会の映像賞に値するものと判断した.

映像賞 フラッシュオブザイヤー

表  題: 「2011年3月11日東北地方太平洋沖地震(M9.0)により発生した地震波が
地球の表面を伝わる様子のシミュレーション結果」
著者: 古市 幹人、坪井 誠司、中村 武史(海洋研究開発機構)
対象論文: 2011年9月のFlash
推薦理由: 東北地方太平洋沖地震により発生した地震波のシミュレーションを可視化
したものである.シミュレーションは3次元非構造格子を用いて行われており,
本動画では,独自のポリゴン生成ツールの開発を行い,地球の内部構造により
同心円からずれる影響や波の振幅を3次元的表現により強調した可視化がな
された.地球の弾性的応答を理解する上で非常に効果的であり,直感的な理解
のしやすさから教育的効果も高いと認められ本学会の映像賞に値するものと判断した.

第39回可視化情報シンポジウム ベストプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:Fl車柄開発におけるPIVの実用化
    講演者:中川 雅樹((株)豊田中央研究所)
  2. 講演題目:蝶の翅の打ち上げ/打ち下ろし時に形成される渦輪の挙動
    講演者:黒木 太一(九州工業大学大学院)
  3. 講演題目:単一ジグザク気泡の後流の三次元可視化
    講演者:橘 倫太郎(静岡大学大学院)

全国講演会(富山2011)ベストプレゼンテーション賞

  1. 講演題目:反回転渦対周辺に巻き付く三次元渦構造とその挙動
    講演者:渡辺 龍一(北見工業大学大学院)
  2. 講演題目:加振水槽における液面挙動の可視化と計測
    講演者:渡辺 久志(アイシン・エィ・ダブリュ㈱)
  3. 講演題目:第一原理分子動力学シミュレーションを用いたクラスレート
    水和物の振動解析
    講演者:平塚 将起(慶應義塾大学大学院)

平成24年度事業計画

学会の活動(第24期)

本学会は昭和 56 年に「流れの可視化学会」としてスタートし、平成 2 年の「可視化情報学会」へ
の法人化を経て、平成 23 年 6 月1日に、一般社団法人「可視化情報学会」としての新たな再出発を 行った。今回の公益法人改革への対応に際し、学術団体としての本学会の在り方と位置づけを再認識 したが、その社会貢献のあり形については、継続的に議論を重ねていく必要がある。

21 世紀の社会は、あらゆる分野で情報の種類や量が爆発的に増大しており、「可視化」はこれまで 以上に重要な技術・学術となってきている。学会とは学術分野で同じ興味をもった会員が集まり、会 員相互の情報交換を行うことで、より大きな学術的創成を進めるための学術集団である。また、学術 的創成は、産業界における実践を通じて初めて社会に還元されるものであり、本会も産学官の各々に とって魅力的な情報交換の場とする必要がある。すなわち、実験科学と計算科学などの先端的学融合 技術としての「可視化」を広範な学術分野で推進し、新しい概念の構築や学術創成につなげると同時 に、産業界での実践に応用するための活動を強化・推進していく。

具体的には、英文論文集 Journal of Visualization の継続的な発刊、国際会議の主催や共催への協 力による国際的情報発信の充実、和文論文集および学会誌発行についての更なる拡充、学会員への充 実した情報アクセスの提供、国内シンポジウムや講演会における情報共有、書籍の発行や講習会の開 催、研究会の活性化など、これまで本学会が実績を積んできた活動において、新たな視点で会員にと っての魅力を追求し、社会への還元の道筋を意識した事業を実施する。

平成23年度事業計画

学会の活動(第23期)

本学会は昭和 56 年に「流れの可視化学会」としてスタートし, 平成 2 年に社団法人「可視化情報
学会」として法人化を行った. 公益法人改革に対応して、平成 23 年 6 月1日に、一般社団法人「可 視化情報学会」として認可され、新たな再出発を行った。一般社団法人への移行に伴い、改めて公益 事業を進めていく学術団体としての可視化情報学会の在り方と位置づけについて、深い議論が重ねら れた。本来、学会とは同じ興味をもった会員が集まり、会員相互の情報交換を行うとともに、より大 きな学術的創成を進めるために、法人格をもった社会集団である。国際会議や学術論文集の発行を通 して社会に貢献し、人類の福祉向上のために活動を推進している事を改めて認識した。

21世紀において、「可視化」は重要な技術となってきている。流れの可視化技術においても、ハ ードウエアとソフトウエアの進歩により、より大量で詳細な情報が得られるようになった。また、情 報の種類や量も爆発的に増大し、情報の可視化技術はますます重要な技術となってきている。先端的 学融合技術である「可視化」をより推進させ、新しい概念の構築や、学術創成につなげていく計画と したい。具体的には、学会の英文論文集Journal of Visualizationを継続的にSpringer社より発刊 し、国際的情報発信の拡大と内容の一層の充実を図っていく。学会員はバックナンバーを含めて自由 にアクセスできるが、より容易なアクセス方法についても検討を進めていく。同様に,和文論文集お よび学会誌発行についても更なる充実・拡充を図る計画である.また、国際会議を主体的に主催・共 催し、国際的な情報発信を続けていく。国内シンポジウムも積極的に開催し、情報共有を進めるとと もに、新しい学融合を推進する。